人工透析患者の結婚・性交・妊娠・出産について
若い方でも人工透析治療が必要になる方も少なくはありません。
30代、40代で人工透析の治療が必要になった方から、時折、質問されることがあります。
それは、「夫婦の営みを、今までどおり継続できるのか」「子どもを希望することはできるのか」「パートナーがいるが、結婚は可能なのか」というような内容です。
良好な夫婦関係を築き上げるために、性交は重要です。
性交に関しては、男女共に今までどおり何も心配していただくことはありません。
ただし妊娠に関しては、男性には、精子に問題ない方もいれば、精子に何らかの問題が出る方もいます。
女性も、無排卵になる方も多いです。
とはいえ現実的に妊娠している方もいます。
人工授精という方法を取るご夫婦もいます。
ただ妊娠をしたからといって、その後も一般的な妊婦さんと同じような生活と分娩ができるかといえば、それは違います。
かなり手厚い日々のケアと、分娩に関しても患者様に合わせた方法を模索する必要があります。
未熟児で生まれるケースも多いです。
そのため、性交に関しては神経質になる必要はないのですが、妊娠・出産となりましたら、よくよくお考えになり、医師に相談することが重要です。
結婚についてですが、結婚は特に何も問題ないと思います。
それを気にしていたら、結婚前に透析治療をしていなくても、結婚後に透析治療が必要になる方はたくさんいます。
その方々がすべて、離婚してしまいます。
しかし先にもお話したとおり、妊娠・出産に関しては慎重になる必要があるので、このあたりはお二人で、きちんとお話し合いをしておくべきだと思います。