疲労回復のために、穏やかな安眠を得るためには、光環境にも気を配る必要があります。
人間の体は、朝の光を感じて起床し、暗くなると眠るようになっています。
これは、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌が関係しています。
日が出ている日中は、メラトニンの分泌が行われません。
起床から14〜16時間ほどで、体内時計からの指令によってメラトニンが分泌されるようになり、だんだんその分泌量が増えて眠気を覚えるようになって、睡眠となります。

でも今の時代、夜でも光が溢れるようになってきました。
特に、モニター画面やコンビニエンスストアの光などの強い光は、メラトニン分泌を抑制してしまいます。
つまり快適な睡眠を考えるなら、夜にあまりにも強い光を浴びないようにして、寝る前は、部屋の照明を少し落としてのんびりするのが良いということです。

睡眠中の光も同様です。
電気やテレビをつけっぱなしで寝たりするのは、熟睡を妨げる原因となります。
枕もとの電気が明るすぎるのも考えものです。
なるべく暗い環境を、作り上げる必要があります。

では真っ暗にすればよいかというと、そうでもありません。
あまりにも暗すぎるのは、今度は心理的不安を誘発し、それはそれでなかなか熟睡できない原因となってしまいます。
また、カーテンで朝の光をがっちりガードしすぎるのも、今度はすっきりした寝起きが困難となる要因になります。
カーテンから、すこしだけ朝の光を感じられるぐらいの方が、それを視交叉上核が感知して、メラトニン分泌が行われなくなっていくので、すっきりと起きられます。

医療法人中央内科クリニック