先日は、人工透析中の妊娠について、お話をさせていただきました。
人工透析をされている女性が、妊娠期間を無事に終えて、出産に辿り着くまでの道のりは大変ですし、リスクも高いです。

しかしそれ以上に考えなければならないことが、「育児」であると思います。
ここから先の話は、育児経験者であれば当たり前にわかることだと思います。
逆に育児経験者でない方にとっては、文字で書いても、もしかしたら伝わらない内容なのかもしれません。

単刀直入に申しますと、育児は、並大抵の「大変さ」ではありません。

最初の1年~2年は、普通にお母さんは寝不足と戦うことになります。
腎臓病を持病にお持ちの方にとって、寝不足は大敵。
夜間帯にサポートをしてくれる人、日中睡眠をとれる環境などが整っていないと、赤ちゃんのお世話は難しいです。

その後大きくなれば、寝不足にはならないのかといえばそうではなく、子どもが熱を出せば、夜中に何度も起きなければならないでしょう。
習い事、受験などで子ども自体が忙しくなってくれば、ついつい母親だって寝不足になっていきがちです。
運動会などの体力を使う行事も多いでしょうし、疲労が溜まらないわけがありません。

また、なにより大変なのが、週数回の透析治療の時間をきちんと用意する必要があります。
特にお子様が小さいときは、送迎などの手間がかかりますから、時間的な調整が重要ですし、
先ほどの話とかぶりますが、お子様が熱が出たって透析に来て頂かなければなりませんから、お子様の面倒をその間、見ていただける環境が必要です。

つまり、パートナーはもちろんのこと、それ以外にもサポートしていただける環境が確保できていないと、育児は難しいということだと思います。

医療法人中央内科クリニック